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一期一会 の記事

2008年3月 3日

お父さん達の受験戦争

少子化の影響で一頃のような受験戦争はなくなったのかと思っていましたが、どうやら認識が甘かったようです。確かに競争率は低下しているものの、親の気持ちはかなり複雑のようです。先日の国公立大学の試験日に、受験生の親と思われる一人の男性が当店に立ち寄られました。聞いてみると案の定、息子さんの受験のためはるばると遠方からやってきたというのです。

合格するといいですね!といったら、いや、今回は不合格の方がいいんだというのです。何か特別な事情があるかと思って、“何故ですか”とはいいませんでしたが、そのお父さんが言うには、地元にも大学があるので、できればそちらに入ってもらいたいというのです。そうすれば自宅から通学できるので、経済的に助かるということのようです。

本音であることが窺われただけに、応じる言葉が見つかりませんでしたが、それでも心の片隅では合格を願っているのではと思い、帰り際に、息子さん頑張ってくれるといいですね!と声をかけたらにっこりと頷いていらっしゃいました。お買い上げ頂いた笹かまぼこを片手に車に乗り込まれた姿は、不合格を願っているようには見えませんでした。

2008年3月 6日

食の安全情報を発信

先日、女性数人で来店され、笹かまぼこや金目タイの干物などを沢山お買い上げ頂きましたが、数日後にネットで生かきの注文も頂きました。早速納品させていただきましたが、ご丁寧にお礼のメールまでいただき恐縮致しました。ところで、こうした注文の仕方は昔からあったのですが、近年特に増えてきたように思います。

食の安全への拘りが高まってきたせいでしょうか、本物を自分の五感で確かめてみてから、改めて注文するというスタイルです。当然といえば当然なのですが、ネットで気軽に注文できるようになった半面、自己防衛意識がより高まってきたということかもしれませんね。当店としてもお客様のそうした意識の変化は歓迎すべきことだと考えております。

そのため、直接の取扱商品だけではなく、他の商品に関する情報もできるだけ提供させて頂くよう努めております。地域で生産される製品が安全であると評価されなければ、その地域の一員である当店もお客様からの支持をいただくことはできないと考えているからです。これからも旬の情報を送り続けることで、ささやかな社会貢献をしたいと願っております。

2008年7月 4日

たまには自分を褒めてあげてください

当店は創業以来50年、観光物産店として全国のお客様からご愛顧いただいて参りました。当初は笹かまぼこを主体としたお土産品を扱っていましたので、お土産店というイメージが定着たのでしょうが、最近はかなり様変わりして、近隣にお住まいの方から銘柄指定を受けることも多くなっております。

ひとむかし前おみやげといえば、「土地の名産品であること」「値段が手ごろであること」が2大条件で、何よりも無難であることに気を配り、自分の好みなどは二の次というお客様が多かったような気がします。しかし、現在は、味や噛み心地はもちろん、原材料、添加物などに関する情報を入念にチェックされるお客様が多くなりました。

当店といたしましては、「安全」「安心」は美味しいことの一部だと考えておりますので、そうしたお客様の拘りを大切にするよう心がけております。“選択眼の厳しいお客様”どうぞご自分の姿勢を褒めてあげてください。本ブログの「美味しいもの情報」は、そんな皆様への熱いメッセージのつもりです。

2008年7月 7日

何度みても感動する風景

年末年始に故郷へのおみやげを買い求めて来店されるお客様に出会えるのはとても楽しいものです。特に最近は30歳代の若い方が、故郷のご両親に対して感謝の言葉を添えて贈られる姿は感動的です。先日の父の日にも若いお母さんが、「何時も有難うございます。元気でいてくださいね」というメッセージを添えて、笹かまぼこを送られました。

添える言葉はいたってシンプルなのですが、とても心がこもっていて、見ているだけで感激します。母の日や父の日のプレゼントに、当店の笹かまぼこを選んでいただいた上に、若い人の温かさに触れることができ、とてもリッチな気分に浸っています。お父さん、お母さん、息子さん、娘さんを褒めてあげてください。

当店ではこうした親孝行を少しでも応援できればと思い、手作りのカードを常に用意いたしております。普段はなかなか口に出していえない感謝の言葉も、カードに託して伝えることができるということで、けっこう好評なのもうれしいことですが、何よりも、若い人達の優しさや思いやりの心が健在なのが誇らしく思えます。

2008年7月15日

素晴らしき自転車野郎

6月も半ばを過ぎた頃、学生と思われる一人の若者が自転車で当店に現れました。恰好を見るとどうやら自転車旅行の途中のようですが、仲間がいる様子もなかったので、どこから来たのと声をかけたら、千葉県の木更津市から来たというのです。びっくりして、自転車で、ですか?と尋ねるとそうだというのです。

詳しく聞いて見ると、何でも海を見ながら福島のあたりまで行ってみようという軽い気持ちだったそうですが、それでも友達や家族からママチャリではダメといわれて、マウンティン・バイクふうのものを購入したのだという。軽い気持ちで出発したものの、県境あたりで山道に入り込み、結局宮城県までたどり着いてしまったといことです。

これからが彼の真骨頂です。普通の人ならもうやめようと思うのですが、ついでに青森を目指すというのです。当店で笹かまぼこを購入して実家に送った後、夜の8時頃まで走りつづけるというから凄い。海沿いの道を勧めたのですが、その直後に起きた「岩手・宮城内陸地震」を考えると大正解だったのが救いです。着いたら電話してね!といって見送ったのですが、5日後に無事青森市までたどり着いたと連絡がありました。いや凄い!

2008年7月22日

お詫びと弁明

先日、ほろ酔い機嫌の一団が来店されました。試食の笹かまぼこを、美味しいと褒めていただき、たくさん買っていただき有難うございました。ただ少しだけ残念なことがありました。というのは、店に設置してある盲導犬協会の募金箱に、一人の坊やが募金しようとしたときのことです。お母さんの一言に唖然としました。

当店では、この募金箱と商売繁盛の縁起物である仙台四郎像を並べてあります。どちらにもお金の投入口があるのですが、当然どちらから募金しても盲導犬協会に寄贈されます。ところが、このお母さんの説明が振るっています。「こちら(盲導犬協会の募金箱)は、盲導犬のために使われるが、もう一方(仙台四郎像)の方は、この店の飲み代になる」。

店が混み合っていたこともあり、きちんと弁明することができなかったのが残念ですが、そうした誤解を招いてしまったのは当店の責任でもあります。従業員一同深く反省し、「どちらの箱に入れても盲導犬協会に寄贈されます」と説明書をつけることにしました。それにしても、お母さんの迷推理には脱帽ものでした。

2008年8月20日

お客様から頂いた心の財産

先日、なんとなく見覚えのある顔のご夫婦が来店されました。ご主人が“私のことを覚えていますか”というのでよく見ると、確かにあのときのお客様だということをすぐ思い出しました。そのお客様も、私が思い出したことを悟ったらしく、あのときはたすかりましたと、まるでご本人のように丁寧にご挨拶をいただきました。

確か数ヶ月前だと記憶していますが、ある団体のお客様の一人が風邪薬はないかと言われたので、ちょうど持ち合わせがあったので水と一緒に差出し、残りも少し持っていってもらうことにしました。今日は近くまで来たものだから、そのときのことを思い出して寄ってみたということのようでしたが、思い出したわけがもう一つあるというのです。

それは、旅行に出かける前から調子が悪かったのですが、盛り上げ係りであるお客様は、皆さんの期待を裏切るのが辛くて、つい無理をしてしまい旅館では氷枕のお世話になる羽目になったということです。帰りのバスの中で薬屋さんに寄ってくれと頼んだところ、ドライバーさんが、「それよりいい所がある」といって当店に案内したということでした。心の財産がまた一つ増えたようで、とてもリッチな気分になりました。

2009年2月16日

やっぱり奥さんが一番

去年の暮れから今年の正月にかけて、また新しい感動をいくつも体験しました。親孝行な息子さんや娘さん、遠いふるさとに郷愁を感じながら心ならずもご無沙汰を続けている人など想いは様々ですが、どなたの心も温かく日本人の心を感じるドラマを見るようで、とても楽しみな季節です。そんな中で一風変わったお父さんが来店されました。

その日はちょうど寒さも少し和らぎ、春は名のみといえども、かすかに春の足音が感じられる穏やかな日でした。そこに長年お父さんを勤めてきたとおぼしき一人の男性がひょっこり来店されました。そのお父さん、開口一番、何も買わないのですがみせていただけますかというのです。今日はお店も暇なのでお茶でもどうぞと勧めました。

そのお父さん、奥さんの呪縛から逃れて脱走してきたらしく、たまには一人でのんびりしたいということらしいのです。しかし、一人を楽しみたいという割には、何回も奥さんの話が出てくるところを見ると、これは若しかして落語の「饅頭怖い」のようなものではないかと感じました。早い話が、奥さんの所に帰りたかったというわけです。

2009年3月 3日

ちょっと嬉しいお便り

今年の正月、あるお客様から年賀状を頂戴しました。お名前には心当たりがなかったのですが、読んで見るとどなたからのものかすぐに解かりました。というのは、そこには次のようなことが書いてあったからです。「昨年の暮れに2人でお店に立ち寄った際、黒豆と昆布をいただいたものです。あの後すぐに故郷でお正月を迎えました」とあった。

更に続けて、「あのときの黒豆を母が大変おいしいといってくれたので、是非レシピを教えてください」と書いてあったのです。そこで、せっかくのご所望なので詳しく書いて送りました。それからしばらくたった先日、今度は新郎新婦の写真入りの手紙が届きました。2月の1日に結婚式を挙げたため忙しくて、お礼が遅れたという内容でした。

そこにはまた、「お蔭様で黒豆を上手に煮ることができてとても嬉しい。今度は昆布にも挑戦したいと思いますので、また教えてください」と書いてありました。大変お幸せそうだったので、他のお客様にもお裾分けをしようと思いこの記事を書いています。まな板や包丁がない家庭も多いという今日、黒豆や昆布の作り方に挑戦する頼もしいお嫁さんですね。

2009年6月30日

少年の心持ち続けた牧師

先日ひょんなことから、故郷の懐かしい場所を通りかかりました。そこは小さな川なのですが、普段はそう度々訪れる場所ではありませんでした。それでもとても懐かしく感じたのは、二つの理由がありました。一つは子供のころに家族でシジミを採りに来たことがあるからで、もう一つは、子供たちが幼稚園のとき「たなご」を採りに来たからです。

そのときの幼稚園の園長は牧師さんでしたが、普段はジーパン姿で野山を駆け回るのが得意で、園児たちを誘ってはザリガニ採りなどにもよく出かけていたようです。彼は聖職者には珍しく、経営者としても優れた手腕の持ち主でもありました。合理的な方法で楽器をそろえ、毎年音楽祭を開催するなど子供たちに夢を与えてくれました。

もちろん、聖職者としても崇高な理念の持ち主で、周りの人からの相談は絶えなかったように聞いています。残念ながら2年前に病に倒れ、天に召されましたが、根っからのやんちゃ坊主と言った感じで子供たちからも慕われておりました。病床にありながら洗礼式では凛として振舞う一方、目を丸くして「たなご」を追う姿もまたかっこよかった。

2010年3月29日

大根のお兄ちゃんの話(その1)

大根のお兄ちゃんと言ってもみなさんはもうお忘れのここと思います。そんな方のためにちょっとだけおさらいしておきますと、数年前のある夏の日、大根を引きずるようにして抱えながら当店を訪れた少年がいました。聞けば、東京から釣りに来たのですが、朝早かったので市場を散策していたとき、おばちゃんに勧められ大根を買ったのだそうです。

そのまま持ち帰るのでは大変だろうと、持ちやすく梱包してやったのが彼との最初の出会いでした。その後も何度か来店してくれたのですが、つい最近もひょっこり現れ笹かまぼこを買っていってくれました。早いもので当時中学生だった彼は今年、大学受験だということでしたので、頑張ってくださいね!といって見送りました。

先日塩釜神社にお参りする機会があったので、ふと思いつき、おみくじを引いた時に、「合格祈願」の文字が目に入ったので、お守りを一つ買いました。効能を見るとなんにでも効くと書いてあったので、少し物足りなく感じていたところ、「さくら咲く」というのがあったので、これだと思い早速これも買いもとめ、大根のお兄ちゃんに贈ったというわけです。

2010年3月30日

大根のお兄ちゃんの話(その2)

翌日私たちが夕食をとっていると、電話がなりました。出てみると大根のお兄ちゃんからでした。お兄ちゃんが言うには、「お母さんがとても喜んでくれて、すぐに電話しなさいと言ったということです。」もちろん本人も大変喜んでくれていました。「あまり神頼みにしなしようにと」と添え書きしたことも受けたようで、こちらも喜んでいます。

受験生をもつ親の気持ちは今も昔も変わりないようですが、そうした中で少しでも心が和んだとすれば、それに過ぎた喜びはありません。自分の子供を育てる時には思いもつかなかったことなのにと思うと、ちょっぴりほろ苦い気持ちもしますが、ほんのちょっぴり罪滅ぼしをしたということでご勘弁願いたいという心境です。

お兄ちゃんの心が大根の花となってご両親に伝わったことが、自分の「さくら」を咲かせることになるのだとしたら、世の中そう捨てたものではありませんね。残された時間、たゆまず、あせらず、じっくりと取り組み合格を勝ち取ってください。遠く塩釜の空から、従業員ともども、合格を信じて応援しています。大根のお兄ちゃん頑張れ!

2010年9月29日

大根のお兄ちゃんの話(その3)

今年の3月19日と30日に「大根のお兄ちゃんの話」をしましたが、そのお兄ちゃんからまたまた嬉しい便りが届きました。中学生だったお兄ちゃんが大根を抱えて当店を訪れてから、3年ぐらいたったのでしょうか?今年の3月に顔を見せてくれた時には、もう大学受験だということでした。そこで、塩釜神社の「合格祈願お守り」を贈ったのでした。

それから数日後、お礼の電話があったところまでお話ししましたが、そのお兄ちゃんが、見事第一志望校に合格したという便りが9月24日に届きました。応援しがいがあるとはまさにこういうことをいうのでしょうね。もちろん本人の頑張りがあったればこそなのでしょうが、とにかく思いがけない「サクラ咲く」の便りにみんな喜んでいます。

思い起こせば、当店の招きネコがお兄ちゃんを呼び込んだのがきっかけで、塩竈様にご紹介したのが良かったのかもしれませんね。神様の御利益はどういう基準で決められるのかは知るよしもありませんが、本人の努力を高く評価していることだけは間違いないようです。今度はどんなドラマが展開するのかわくわくしています。